凜と生きる

私が経験した「鬱」というものについて

お薬について

鬱病というと世間では精神科のお薬をたんまり飲んでるイメージがあるかもしれない

それはおおかた当たっている

わたしは一番初めは抗不安剤や安定剤といったものと軽い眠剤だった

でもあれよあれよという間に抗うつ剤が処方された

そしてこの抗うつ剤、自分にぴったり合うのを見つけるのが大変

なかなか効くものに巡り合えないのだ

まずは最低量から始めて、二週間毎に量を増やし最大量まで飲んでみる

ここまでで二か月位経ってしまう

合わない、効かないなぁとなると違うものにチェンジ

そしてまた最低量から始め・・の繰り返し

抗うつ剤は山のように種類があって、いろいろ試せるのはいいことかもしれないが、

自分にどれがいいのかわかるまでの道のりは長い場合も多い

そして合っているなと思ってしばらく続けていても、また効かなくなって他の薬に

変えるなんてしょっちゅうだった

 

飲んでいる本人もてのひらいっぱいになる薬を毎日飲むのは不安だ

副作用もある

そしてそれを見ている家族も不安になるようで、「薬、いつまで飲むの?」と

わたしに聞かれても困ることを言われたし飲むのを控えるように言われたこともあった

将来早いうちにボケてしまうらしいと助言してくれる人もいた

それでも飲むのをやめられるくらいなら苦労しない

とにかく毎日辛いのだ

少しでも薬がそれを和らげてくれるなら、飲むしかなかった

 

副作用でわたしが一番辛かったのは体重の増加だった

副作用に加え、引きこもって寝ていたことと過食も相まって

わたしは短期間で20キロ以上太った

けれど鬱が酷い時は自分の変化なんてどうでもよかった

ある時ふと自分の姿を見て愕然とした

そのあともずっと体重は増え続け、最高では病気の前から40キロ近く太った

ますます自分が嫌いになり、自己評価は低くなり自分に価値なんかないと卑屈になっていった

鬱がなくなって薬が減った今でもなかなか体重は落ちてくれない

すごく太る人とすごくやせ細ってしまう人がいるようだ

過眠と不眠に分かれるように、鬱と言っても見える症状はいろいろだ

 

覚えてないくらいの抗うつ剤を飲んだし、量が多過ぎてわたしの場合、躁転してしまい

双極性障害Ⅱ型」に病名が変わるという最悪なことになった

 

薬を飲むのが不安でありながら、薬に段々依存していく

薬がないと不安

飲まなかった安定剤や眠剤を溜めておくようになった

 

あまりに辛かった時、その溜めていた薬を処方より多く飲んだりもした

救急車で運ばれない程度、死なない程度に

とにかくすぐに意識を失って眠れればよかった

飲みすぎた後の体調は最悪だったけど、いつも多めに薬が手元にあることが安心だった

そして飲みすぎてしまうことを病院では隠していたし、夫にも言わなかったと思う

親友にだけ話し、それは酷く心配をかけてしまっていた

 

もう今は三年以上鬱状態にはなってないし、躁は十年近くない

それでもまだ月に一回通院し、気分安定剤、安定剤、眠剤が出ている

 

そして太ったことによって更なる病気を呼び、肝臓、糖尿、高血圧の薬まで増えてしまった

 

わたしの目標は薬なしになること

 

鬱が酷い時はやはり薬が必要かなと思う

わたしの場合、医師の判断もあったけど自然と自分でもう抗うつ剤はいらないな、

飲みたくないなと思うようになった

自分の体が教えてくれたように思う

 

長く飲み続けたものはすこしづつ量を減らして辞めていくのだが

その禁断症状はとてもきつい(すべての薬ではない)

わたしは頭の中で「きーーーん」という音や「シャンシャン」何かが鳴っていて

本当にきつかった

 

もう元気になってきても溜めている薬をわたしは捨てられない

それほど依存しているのだ

普段は薬の存在なんて全く気にしていないし、

もうたくさん飲んだりしないのに、手元に持っていると安心なのだ

病院でお薬が出なくなって、手元にあるお薬を全部捨てられた時

わたしは完治したと言えるのかもしれない