突然で必然
あの日は突然やってきた
しかし振り返るとわたしはこうなることを知っていた
きっとわたしはこうなるとわかっていたと思う
今から約20年前の3月だったと思う
静かな部屋で雑誌を見ていた時、突然「ととと」と
動悸がした
あれ?と思ったらまた動悸が始まった
「なにか、おかしい」
そう感じた理由は、他にも眠れなかったり、
不安感が消えなかったり、気分が落ちていたりと
いろんな症状がすでにあったから
心療内科に行こうとすぐに思った
抵抗はなかった
むしろやっと行けるというような感覚だった
わたしは自分が精神的に病んでいるとわかっていた
近くにある心療内科に行って症状を訴えたら
「不安神経症による鬱」
と言われたような記憶がある
抗うつ剤がすぐに出たかは覚えていない
薬を飲むことも心配は多少あったけど、その時は
自分がやはり病気なんだと診断され、薬を飲んだら
良くなるのだとわかったことの方が大きかった
きっとこの時点で服薬して休養していたら、
短期間で治っただろう
しかし、そうはいかなかった