凜と生きる

私が経験した「鬱」というものについて

母について③

わたしが大人になってからの母との関係を

いくつか書いたが、時系列で子どもの頃からの

ことを順に書いてみる

 

わたしは母に甘えた記憶がない

大事に育ててもらったし、きっと愛情も

もらってたのはわかっているが、

ぎゅっとされたり「好きだよ」と言われたり

そういうスキンシップというものがなかった

ご飯は手作りのものが出てきて

習い事もさせてもらい、服も買ってもらい

お金に困った時期もあったのに、

教育もちゃんと受けさせてもらった

 

じゃあ何を不満に思うのか?贅沢な悩みと

思われるかもしれない

でも心の中は寂しかった

母はいつも父親の動向と自分自身の気持ちで

忙しそうだった

わたしがいい子にしてれば母はきっと助かるのだろうと幼い頃から思っていた

母を不機嫌にさせてはいけないと感じていた

 

わたしが寂しさを感じていたひとつが

物心ついた頃から一人部屋で大人用のベッドで

ひとりで寝かされていたことだった

多分3歳くらいからだった

母は二階にある子ども部屋まで来てくれるが

ベッドに入ると「おやすみ」と行って階段を

降りて行ってしまう

わたしはそれが寂しくて階段を降りる母に

何度も「おやすみ!」と言った

母が「はい、おやすみ」と返してくれると

嬉しくてまた「おやすみ」と言った

 

母が降りてしまうと暗い部屋にわたし一人だった

隣の部屋に姉はいたが、それはあまり救いにならなかった

わたしは寝つきの悪い子でなかなか眠れなくて

そっと目を開けると昼間見慣れてるはずの

いつもの部屋がなんだか違う空間のように感じてとても怖かった

目の前の洋服ダンスの扉が開くんじゃないかと

想像するだけで怖くてたまらなかった

 

姉はひとりでも平気な人だったが、わたしは

大きくなってもずっと夜が怖かった

本当は母や父と一緒に眠りたかった

せめて小学生になるまででも

 

そういえば寝るときに絵本を読んでもらったり

添い寝をしてもらった記憶もない

 

安心して眠る、ということを味わわずに育ったわたしは大人になってから不眠症になり、

夜ひとりで寝るのが苦手なままだった

 

母はべったりくっつくのが苦手なのだろう

もともと子どもは好きじゃなかったと聞いたことがある

それはもう仕方ない

けど、子どもにとっては仕方ないでは済まない

抱っこされたかったし、大好きだと言われたかったし、甘えたかった

愛情表現という意味で、わたしと母は相性が

悪かった、ということだろう