初期の失敗
おそらく薬を真面目に飲んでいたら、
鬱は短期間で治ったと思う
そしてもう一つ、わたし自身が治したいという
強い意志を持っていたら10年以上も鬱でいることもなかった
薬については、夫や友人が心療内科の薬を飲むことに抵抗があったようで、反対されたのだ
「そんな薬、あまり飲まない方がいい」
「薬に頼らない方がいい」
こんな話も聞いた
「私の母が薬を飲んだせいで、早くから痴呆のようになってしまった」
などなど…
わたしは強い意志がなかったから、その言葉に
不安になってしまった
完全に飲まないこともできず、1日3回の薬を
1回にしたり、2日おきに飲んだり、と
指示通りに服用しなかった
治すことに積極的でなかったのは、不思議なことだが、わたしは鬱でいたかったのだと思う
そうすることで離れていきそうな夫の気持ちを
引き戻したかった
心配されたり優しくされたりしたかった
弱い自分でいることの方が得だと思ったのだ
それほどまだ鬱が酷くなかったから、
本気で治療に取り組めなかったのだ
薬を減らすことは、そのあともよくやっていた
勝手に減薬するのは、時に辛い症状に苦しんだ
とにかく、わたしは最初のチャンスを失ったのだ
そうして暗く深く長い長いトンネルに自ら入っていったのだった