凜と生きる

私が経験した「鬱」というものについて

さざ波

わたしが鬱になったのは息子が小学生になった年だった

結婚して5年目、たった5年でわたしは鬱になった

鬱は急激にきて一気に悪くなったのではなく、

さざ波のように静かにわたしの中に忍び込み、

いつの間にかわたしの全部になった

楽しくて幸せな結婚生活、健康で普通に暮らせた日々は丸4年しかなかったのだ

今思うと短かった

 

鬱の原因は大きく分けて3つある

⚪︎元々自分にある素因

⚪︎原家族(特に母親)の影響

⚪︎夫との関係

どんな環境にあっても鬱になる人とならない人がいる

現にわたしの姉は同じ環境で育ったが鬱にはなっていない

わたしは鬱になりやすい素因が生まれ持ってあったのだと思う 

それは誰のせいでもない

遺伝であったとしても、誰も悪くない

 

わたしはいわゆる機能不全家庭で育った

両親が物心ついた頃には不仲で、喧嘩が

絶えなかった

両親はわたしに愛情があったとは思う

虐待もされてないし、ちゃんと食べさせてもらい、教育も受けさせてもらい、なにか強制されたこともない

けれどわたしは親からの愛情を実感を持って感じたことがあまりない

小学生くらいまでは父親っ子で、可愛がられた記憶がある

でも中学の頃、母と大きな喧嘩を繰り返していて、その頃父は家庭というものから完全に

心が離れてしまったのかもしれない

わたしの思春期も重なって、父とはそれ以来

距離ができたな、と思う

母は不機嫌な時が多い人だった

喧嘩はたいてい母がふっかける

ヒステリックに怒る母に我慢できなくて父が

切れて怒り出すパターンが多い

元々父が原因を作っているのだが、見ている

わたしは母の一言多い無神経さの方が嫌いだった

不安定な家庭で育ち、いつもいい子でいるしかなくて、両親に笑って欲しくて自然とピエロ役をしていたわたしはだんだん疲弊していた

早く自立してこの家を出たいと常に願っていた

 

そんな家庭からわたしを連れ出してくれたのが

夫だった

救世主のように感じたわたしは一直線に結婚へと走った

なんの迷いもなかった

生まれて初めて人から愛されていると実感できたのだから