凜と生きる

私が経験した「鬱」というものについて

涙が止まらなかった曲

鬱病を明かしてないのにわたしは母と義母に

交代で家に来てもらうことになったので

朝から掃除をしたり義母と息子に食べてもらう食事を用意したりしながら午前と午後の付き添いを続けた

普通に元気ならこんなことくらいなんてことないのかもしれないが、わたしも倒れそうなくらい体調は悪いのだ

しかもそれを言えないでいた

 

本当は「午前も午後も行かなあかんの?」

「誰か交代してくれへんの?」と思ってた

そう言えばよかったのにね、言えなかった

 

だからわたしはその日もとぼとぼと午後の面会にと電車に乗った

駅に着いてなんとなく入ったコンビニで

平井堅の「Lifeis…」という曲が流れていた

その歌が耳に入った時、なぜだかスイッチが切れたみたいに、ぽろりと涙がこぼれた

何が悲しいか、というより孤独だった

夫のことは心配だったし、妻として付き添いに行くのは当然と思っていたけど疲れていた

それをつぶやく人もいなくて寂しかった

「ああ、辛い」と思って、それでもその歌が

心に沁みて少し温かくなったような気がした

曲が終わってわたしはコンビニを出た

 

そうして集中治療室にいた約1週間は終わった