凜と生きる

私が経験した「鬱」というものについて

不妊治療

1人目は結婚半年でできたので、わたし達は

子どもは望めばできるのだと思っていた

出産が辛かったのでなかなか2人目を産む気に

ならなかったのもあり、しばらくは1人でいいやと思ってたけど、息子が年長になっても妊娠せず、

できれば小学生になる前に2人目が

欲しいと思ったので産婦人科に行った

 

結果「二人目不妊」ということで、検査と治療が始まった

痛くて辛い検査だった

たくさんの器具を挿入されたまま一人でしばらく横たわっている時、器具のひんやり感と

心がしんと冷える感覚がしたのを覚えている

不妊治療は女が辛いんだな、と思った

検査もそのあとの注射もとても痛くて

わたしは夫に労わってもらいたかった

けれど夫はひとごとのようで

「辛い」と言うと「じゃあやめれば」

「でも赤ちゃん欲しい」と言うと「じゃあ続ければ」

と言うだけでわたしは寂しかった

そしてわたしにはっきりとした原因がなかったので、夫の精子の検査も必要になった

わたしは夫に病院行く日に持って行くからお願い、と頼んだ

そうしたら夫は採取にあたって、わたしになんとかしろと言った

信じられない

自分でどうにかしてくれと思ったのに、やっぱりわたしはそれを言えない

屈辱的な時間だった

わたしは涙を浮かべて病院に行った

それが確か2回あった

不妊治療は孤独なのだと痛感した

病院ではすぐ横のカーテンの中で妊婦さんが検診しているのに、わたしはそのすぐそばで

不妊の話を先生としている

先生は小声で話してもくれなかった

筒抜けだ

なんの配慮もない

すごく傷ついた

痛い注射にも通ったし、毎日体温を測り

排卵日には夫にお願いをする

そしてその日、お風呂にも入らず内診される

こんな毎日に耐えられる女性はいるのだろうか?

そこには夫の支えがいるのだと思う 

わたしにはそれがなかった

夫に悪気がないからこそ責められなかったし

他の誰にも相談できなかったから、わたしは2人目を待ち望む気持ちから、だんだんと荒んでいき、辛く悲しいだけになっていた

どうして妊娠できないんだろう?

いつこの治療は終わるんだろう…

 

いよいよ次の段階、人工授精にいきますか?と

病院で言われた

前から夫は人工授精まではしないと言っていたし、わたしはそれもわかるけどそれ以上にもう疲弊していたので休みたかった

そこで治療はやめて自然に任せることにした

まだ若かったしきっと産めると信じていた

 

でも疲弊した心は癒されなかった

夫への失望、自分がいけなかったのかという

気持ち、屈辱的な思い、結果が出なかったこ

それもまたわたしが鬱の波にさらわれる一因となったのだった