凜と生きる

私が経験した「鬱」というものについて

秘密

鬱になったことをわたしは夫と一部の友人以外には秘密にしていた

まだ今ほど「鬱病」が知られてなかったし、

精神的な病はまだまだ偏見もあったから…

言わなかった、言えなかったということは、本当はわたしの中にも偏見があったのかもしれない

自分は偏見を持っていないとずっと思ってきたけど、それならなぜ言えなかったんだろう

 

言わないから「しんどいから助けて」とももちろん誰にも言えない

ちょうどこの頃は昔からの仲良しの友達も子育て中で忙しかったのであまり交流もなかった

近所にも心を許せるほどの友達がいなかった

親にも姉にも言えなかった

だからわたしは誰かと会う時は頓服を飲んで

嘘の笑顔を作らなければならなかった

 

夫の前ではどんな顔をしていたっけ?

多分どんよりとして、あまり笑わなくて

時には泣き腫らした顔だったと思う

夫は何も触れてはこない

「しんどかったら寝とき」という言葉が一番多かった記憶がある

しんどいなら寝てるだろう

起きているということは大丈夫なんだろう

…そんな解釈のようだった

 

鬱のことを打ち明けた友達は偏見はなかったが薬を飲むのを反対された

わたしを思ってのことだったし、後に助けてもらったこともあったので責められない

 

それでももっと他にも誰かに打ち明けていれば少しは楽になれたかもしれない

他の病気に比べて「鬱病」は言いづらい

気持ちが弱い人がなる病気

なんかおかしくなった人の病気

精神的な病(ほんとは脳の病気)……

よりによってややこしい病気になったものだ