凜と生きる

私が経験した「鬱」というものについて

安堵と寂しさと

いつまで続くのかと思う日々も

必ず終わりは来る

夫は少しずつ錯乱もなくなり落ち着いていった

わたしは毎日面会時間は病室で過ごした

テレビを観たり、なんてことない会話をしたり

夫が忙しく働いている頃には考えられないくらい平和でのんびりした時間だった

わたしは体は常に怠かったけど、そんな時間は貴重だったからしんどいながらも楽しかった

 

個室から4人部屋に変わった頃やっと息子を病室に連れて行き、父親に会わせた

そうしたら夫は息子を見て泣いた

びっくりした

夫が泣くのを見たのは初めてだった

病んでるわたしはそれを喜ばしいと思うと同時に自分にはありがとうの一言も、居てくれて嬉しいの一言もないことが寂しいと感じていた

新聞買って来いだの、飲み物が欲しいだの

わたしは付き添いみたいなもんだなと勝手に解釈していた

 

そして約一カ月の入院は終わり、しばらく休んでから夫は復職した

でもまた頭が痛いと行って休んだり、落ち着かない感じだった

夫は今の会社で働くことに限界を感じていたようだった

 

わたしは安堵と疲れでまた家では横になる日々だったが、夫が休んでいる時はゆっくりもできなくて病状は良くならなかった

 

この闘病の日々はその後も忘れることはなく、

どちらかが大病をすると絆が深まるなんて

よく聞くけど、うちはそんなことなかったな、

わたしが孤独を強めただけだったなという思いが強く残ったのだった