凜と生きる

私が経験した「鬱」というものについて

新しい家族

週末に家族で買い物に行ってたところには

ペットショップがあった

わたしはそこで犬を見るのが楽しみだった

犬を見てると癒された

束の間の幸せな時間だったので毎週毎週通った

 

家を買ったから犬を飼いたかった

息子も欲しがった

夫は犬が好きではなかったので渋っていた

わたしが元気ではないから世話の心配もあったのだろう

けれどわたしがあまりに嬉しそうに犬を見ていたので夫は「犬を飼ったらもっと元気になるかもしれない」と考えたようで、我が家に犬を迎えることに賛成してくれた

 

そして3人一致でミニチュアシュナウザーの男の子を飼うことになった

嬉しくて嬉しくてたまらなかった

 

今思えば犬がわたしを回復させてくれた部分も多いかもしれない

散歩は夫と息子が一緒によく行ってくれた

わたしはまだしんどくて横になってることがあったから

それでもペットショップでおもちゃを選んだりしつけ教室に行ったり広い公園に行ったりするのは楽しかった

何より小さい子犬が家の中でぴょんぴょん跳ねるように走り回る姿はこちらも笑顔になる

無条件でかわいくて、だっこすると癒された

 

春に犬が我が家に来て、夏になる頃には

わたしはみるみる元気になっていった

犬を飼った以外で治っていった原因が全く

思いつかない

なんであの時五年も病んでいたのがスルスルと治ったのか不思議だ

病院で「完治と言えます、もう薬も通院も必要ありません」と言われ、わたしは鬱が完治した

完治と言ってもいわゆる「寛解」なので、

再発しやすい病気だから注意するように言われた

でもすっかり元気になったわたしは2度と鬱にはならないと思っていた

長かった闘病は終わったのだ