凜と生きる

私が経験した「鬱」というものについて

話したい、話せない

カウンセラーと依存した学校の先生以外、身内や友人には悩みを相談しなかったのか?

病気になったばかりの頃はわたしは誰にも鬱のことを話さなかった

親や姉にも黙っていた

当時学生の頃からの友人たちはちょうど子育て真っ最中だったので、それほど密には

連絡を取り合っていなかった

まだ携帯電話もみんなが持ってるわけでもなかったし、長電話する時間もない

なのでわたしは誰にも辛い気持ちを言えなかった

話す余裕すらなかった

当時子どもを通じて知り合った仲良しの友人にだけは話したが

薬を飲むことに反対されたりしたのでデメリットもあった

もちろん話をして助かったこともたくさんあったのだけど…。

 

肝心の夫は毎日猛烈に忙しかったし、あまりわたしの病気には向き合ってくれなかった

鬱について知ろうという姿勢もなかったしわたしの辛い話は聞きたがらなかった

疲れて帰ったのに暗い顔して暗い話をされるのはきつかったのかもしれない

けれどわたしはこんな緊急事態に夫が寄り添ってくれないことにかなり不満を持っていた

あなたがわたしに向き合わないで誰がわたしを支えてくれるのよ!

この一言が言えなかった

自分の気持ちがなんでも言えてたらそもそも病むこともなかっただろう

当時は夫の気持ちまで考える余裕なんて一ミリもなかった

夫は夫で辛かったのだろう

けどわたしは自分だけが辛くて苦しいと思い込んでいた、長い間

 

母親や姉、義母や義兄弟に病気のことを知らせたのは、鬱になって四年は経っていたと思う

友人に話したのもその頃だったかもしれない

 

鬱になった人はなかなか人に話せないんだと思う

まだ偏見もあるし、鬱になった自分を恥じてたりもする

ほんとは誰かに話したいのに話せない

医師にすら本音は言えないものだ

だからわたしはカウンセリングが必要だった

一人ではもう抱えきれない苦しみだったから

 

PCで調べたり本を読む余裕なんてない

だから知識もないし、同じような人がたくさんいることもわからない

この世でたった一人で病気と闘ってるようだった

だから話を聞いてくれる人が現れた時、依存してしまったんだろうな

孤独だったな、ずっと

ほんとは独りぼっちじゃないのに、そこに気付けない

それも鬱の症状のひとつと言えるだろう

 

今まさに孤独の中で鬱に苦しんでる人がいるなら

わたしは伝えたい

独りぼっちじゃないって

そしてできることなら傍に行ってぎゅっとしてあげたい

昔のわたしを抱きしめるように