凜と生きる

私が経験した「鬱」というものについて

別人のように

夫の子どもへの説教はわたしから見たら

尋常じゃなかった

そもそもそんな怒ること?ということで

怒り始める

沸点が低過ぎる

「叱る」ではなく「怒る」

そして自分の話してる言葉にますます

ヒートアップしていくようで、

話はぐるぐる巡り繰り返しになり

息子が「はい」と答えたら

「はいじゃない!」と大きな声で言い

息子が黙ってしまうと

「なんとか言え!」と怒鳴る

何かやっと言ったらそれに対してとことん

理詰めで迫る

息子を追い詰める説教は夜中まで3時間以上

続くこともよくあった

わたしが「もうやめといたら」と口出ししたら

余計ムキになるかのように話が終わらなくなってしまう

 

こんな人ではなかった

新婚の頃からわたしが掃除と片付けが苦手なことについて何度も何度も叱られたが、

ここまでしつこくなかったし、大きな声で

怒り続けることもなかった

わたしはおそらく一緒に暮らすわたしにしか

わからない違和感を感じていた 

もしかして?

これは髄膜炎で倒れてからではないか?

何かしら制御が壊れてしまったのでは?

これって後遺症じゃないだろうか?

でも病院へ行ったところでそんなのわからないだろう

気のせいだと言われるだろう

 

普段は甘やかし過ぎなほど息子に甘い夫が

突然些細なことでこだわり始めると

もう止まらない

とことん追い詰める

逃げ場を無くす

声がどんどん大きくなる

この説教は小学生高学年の息子が

成人しても続いた

回数は減ったが怒り出すと止まらない

さすがに息子は成長していくので、

対応を自分なりに考えたり、意見を言うときは

言うようになったり、父親と適度な距離をとるようになったが、時々暴言を吐く父親に

傷つけられたことも多い

それは成人してからも同じだった

 

わたしの役目は時折説教の途中で息子の気持ちを代弁すること、息子が大きくなってからは

静観し、終わった後にフォローすることだった

自信をすっかり無くしてしまう息子に

二人きりになった時にたくさん話をして

彼の自信を取り戻すことに尽くした

 

わたしは本当に嫌になっていた

相手が傷つくことを平気で言う夫に

家族でも言ってはいけないことがある

わたしは時々夫にキレた

「あなたの言うことは酷すぎる!」と

すると言うことをすっかり言った後の夫は

急におとなしくなってわたしに「悪かった、

悪かった」と謝る

息子にも謝ると言う

それの繰り返しだった

 

わたしに対しても酷い言葉を言う人で

それは傷つけようとしてるわけではないことは

知っている 

でもせめて子どもには配慮が欲しかった

そのくせ言うこと言ったら必ず翌朝

言い過ぎだと思うらしく、今度は極端に

甘くなる

それの繰り返しだった

 

我が家では叱ったり説教するのは夫の役目、

フォローしたり褒めるのはわたしの役目だ

普通逆じゃないかと思うんだけど

 

この夜中までの説教が頻繁にあった数年間は

わたしも息子もストレスがいっぱいだった

夫だけが言いたいこと言って言った後は

すっきりしてご機嫌になって…

 

今でもたまにスイッチが入る

入ったら止められない

最後わたしが我慢できずにキレるまで

(途中でキレると喧嘩になってしまう)

わたしは無神経な言葉を言う人が嫌い

言葉は見えないけど、言われた側の心にずっと

残るのだ

傷つけなくても叱ることはできる

大声を出さなくても相手は聞いてくれる

何度も繰り返さなくても理解できる

なんでそんなこともわからないのかな?