凜と生きる

私が経験した「鬱」というものについて

2017-01-01から1年間の記事一覧

秘密

鬱になったことをわたしは夫と一部の友人以外には秘密にしていた まだ今ほど「鬱病」が知られてなかったし、 精神的な病はまだまだ偏見もあったから… 言わなかった、言えなかったということは、本当はわたしの中にも偏見があったのかもしれない 自分は偏見を…

流されていく

こうしてわたしは鬱になった 夫は鬱というものを知らなかったのもあるが 優しい言葉や労りの言葉を言う人ではなかった わたしがますます鬱に流されていったのは 夫の無関心で冷たい態度にショックを受けたこともあった きっと心配もしていただろうし、わから…

離れた心

素因と不妊治療と母への葛藤 それに加えて夫の気持ちがわたしから離れてしまう寂しさがわたしを病気にしていった 不妊治療が辛くなった頃、あれは12月だったと思う 新聞か何かの支払いがあって、わたしは細かいお金が なかったので、たまたま休みで家にいた…

素因について

鬱になる原因となった出来事を書いているが そもそもわたし自身に鬱になりやすい素因が あったからこそ発病したのだろう 遺伝なのか、体質なのか、突然そんな子どもが産まれたのかわたしにはよくわからない 親戚で鬱になった人をわたしは知らないが、 昔なら…

不妊治療

1人目は結婚半年でできたので、わたし達は 子どもは望めばできるのだと思っていた 出産が辛かったのでなかなか2人目を産む気に ならなかったのもあり、しばらくは1人でいいやと思ってたけど、息子が年長になっても妊娠せず、 できれば小学生になる前に2人…

鬱になる前

わたしは自分を全肯定されて愛されることに 慣れていない だから夫の一挙一動が気になって、少し夫が 無口なだけで不安になったし、話したくても 「忙しくて疲れた」と言われると、もうなにも 言えなくて、眠ってしまった夫の顔を見ながら いつまでも眠れぬ…

母について①

わたしが鬱になった原因のひとつは母親だ それはわたしが産まれて育ってきたすべてが 関わってくるので、一度には書けない まずは結婚してから鬱になるまでの母との 関係を書いてみる 母が大事にしたことのひとつは 「あちらの実家と同じ回数かそれ以上はう…

なぜ?

大恋愛して結婚し、すぐに子どもにも恵まれたのに なぜ4年目で鬱になったのか? 実家からやっと離れたのに? 結婚して3年位は毎日が信じられないほど幸せで わたしは夫が大好きで息子が可愛くてたまらなかった 専業主婦になって子育てすることが望みだった…

さざ波

わたしが鬱になったのは息子が小学生になった年だった 結婚して5年目、たった5年でわたしは鬱になった 鬱は急激にきて一気に悪くなったのではなく、 さざ波のように静かにわたしの中に忍び込み、 いつの間にかわたしの全部になった 楽しくて幸せな結婚生活、…

初期の失敗

おそらく薬を真面目に飲んでいたら、 鬱は短期間で治ったと思う そしてもう一つ、わたし自身が治したいという 強い意志を持っていたら10年以上も鬱でいることもなかった 薬については、夫や友人が心療内科の薬を飲むことに抵抗があったようで、反対されたの…

突然で必然

あの日は突然やってきた しかし振り返るとわたしはこうなることを知っていた きっとわたしはこうなるとわかっていたと思う 今から約20年前の3月だったと思う 静かな部屋で雑誌を見ていた時、突然「ととと」と 動悸がした あれ?と思ったらまた動悸が始まった…

記憶のはじまり

わたしが経験した「鬱」というもの 忘れたい日々だと思ってきたけど 今は記憶から消してしまいたいとも思わない 長い長い年月をわたしは「鬱」として過ごした それを無いものにするのもおかしいな、と思う 今のわたしを語るにはあの頃のことを外すことは 不…